【完】時を超えて、君に会いに行く。




「何時に会うんだっけ?」



「……えっと、12時30分の予定だよ」



瞼を気にしながらも、沙奈の質問に答える。



「そっか。なら、あんまり時間ないね」



「……そう、だね」



実は、今日、私にとって重要なのは、卒業だけではなかった。



ずっと書いていた物語を書籍化にしないかと声をかけてもらったことをきっかけに、初めてその編集担当をしてくださる方とお会いすることになってる。



そんなきっかけを作ったのが……。




「おっ、ふたりともやっと集まれたか!」



こいつ……航だった。



「航、お疲れ様! 卒業おめでとう」


「おう。沙奈もおめでとう。あっち行っても頑張れよ」



沙奈と航も、今ようやく初めて話せたらしい。お互い嬉しそうに語り合っている。



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