【完】時を超えて、君に会いに行く。
「え、寝てんのこいつ?」
「未歩。そろそろ行かなきゃ!」
閉じていた瞼を開ける。
「寝てませんからっ!」
まずは最初に思いっきり航を睨んだ。
「お、なんだ、元気じゃん。 じゃあほら、早く行け。うまい飯食いながら、ちゃんと話してこいよ」
「言われなくても!」
私はフンッとそっぽを向く。
やっぱり幼なじみに対しては、いつまでたっても素直になれないものだ。
見兼ねた沙奈は、ため息をつくも、呆れたを越して笑ってた。
「はあ……、ふたりはいつまで経っても変わらなさそうだね。ま、それがいいんだけど」
そして、私に近づいてきて「はい」と何かを手渡してきた。
さっきから、プレゼントの中に紛れてひとつだけ浮いてるものがあるなと思ってたけど……なんだこれ?