【完】時を超えて、君に会いに行く。


この続きを書けないことはない。


だって私の頭の中に、ちゃんと続きはできている。



だけど……。


もしまたその物語を書いたら、同じ未来が待っている気がした。




やがてやってくる金曜日の日に、万年筆を買いに行こうとして、車にひかれかけた私を助けたかわりに……航が……。



思い出すだけで全身が身震いする。




「ちょっと間、書かないで考えてみる」



「そっか。まぁ、切羽詰まって書いても、いい作品にならないもんね。
それは絵も小説もおんなじだから、気持ちわかるよ」



「ありがと沙奈」



「いえいえ」



沙奈は優しい。


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