【完】時を超えて、君に会いに行く。



一度だけ、強く念を押されて仕方なく合コンに行ったこともあった。


だけど正直、全然楽しくなかったんだよね。



ていうか、魅力的だと思える人がいなかった。



なんというか、こう……心を揺さぶられるような感覚がないというか……。



私ってそんなに、理想が高いってワケじゃないと思うんだけどなぁ。




ぼんやりとそんなことを思いながらも、どこかで、しばらくは仕事一筋でいいと思っているんだろうと、自己完結に至った。




「もー!未歩、そんなことばっか言ってちゃダメだよ?
20代はあっという間に過ぎていっちゃうんだからね?いつの間にかしわしわのおばあちゃんになってても知らないんだからね!」



プンプンと頬を膨らませ、可愛くむくれている。さすが合コン歴が長いだけあって、自分の可愛く見える姿を把握してるんだろう。



20代は、あっという間……かぁ。


学生の頃も、そんなことを思ったな。



いやはや、あれからもう5年は経ったなんて。時が流れるのは早いものだ。



改めてそう思う。




< 393 / 420 >

この作品をシェア

pagetop