【完】時を超えて、君に会いに行く。




「だからあんたも大事にしな。ひとつひとつの出会いを。
運命ってのは偶然じゃない。必然なんだから」



「……必然、なんですか?」



「必然に決まってんじゃない。決められた未来が運命を過去に持ってくんのよ。
だから私がまだ結婚できないのも、未来でもっと素敵な出会いがあるからってことで、いずれは運命が必然的にいい男をつれてきてくれんのよ」



「…………」



一理あるとも言えなくはないが、それは、言うならば結婚できない言い訳とも受け取れる気がしますよ、編集長。



ま、死んでもそんなことは言わないが。



なぜなら今日のツッチーと同じような運命を辿るのだけは、ごめんだから。




しばらく飲み続け、私にもアルコールが回ってきた頃に、思い切って聞いてみた。




「編集長。私って、どんな人間ですか?」



「……なに?急に」



「いえ。なんとなく、編集長から見た私ってのが気になっただけです」



ほろ酔い状態だからこそ、聞けたんだろうな……。


お酒の力って、不思議だ。


大人になってからも、新しい発見ばかりして、学ぶことが多い。



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