【完】時を超えて、君に会いに行く。



「わ、私は……」



沙奈の頬が赤く染まる。


え、もしかして……いるの?




「だ、誰?」



「ぜ、絶対誰にも言わない……?」



「言わないよ!」



コクコクと頷きながら、強く言った。



「絶対!?」



「うん!!」



すると沙奈は、私の耳にそっと顔を寄せてきた。



そして、照れ臭そうに、ほんとに小さな声で。




「私は、彼方が好き」




そう言った。


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