【完】時を超えて、君に会いに行く。


――ガラッ。



美術室のドアが、突然開いた。



私は肩をビクッと揺らし、ドアの方を見つめる。



そこにいたのは……



「彼方……?」



制服姿の彼方だった。



「今、部活終わった」



「あ、そうなんだ。でも、どうして彼方がここに……?」




そう。


それが一番の疑問だった。



だって彼方はいつも、放課後になると私たちとは帰らずに、ひとりで先に帰ってしまうから。



部活が終わったあとにここにやってくるとしたら、航だけだから、不思議でしかたなかい。



「伝言。航が陸上部のマネージャーに呼び出されたから、迎えに来るの遅くなるかもって」



「え……?」



陸上部のマネージャー?

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