【完】時を超えて、君に会いに行く。


「ところでさ。これ、何?」



「?」



彼方が指差したものは、私が座ってた席の机の上にある紙。


それは、原稿、用紙……。




「っ!!」



私は急いでそれを掴み取り、机の中へと隠した。



「え、なんで隠すの?」



「ち、ちがっ……!えと、これは、ええっと……!」



「……怪しい。教えてよ」



「ななな、なんでんもない!ホントに!」



「あからさまに動揺してるじゃん」



ククッとおかしそうに、笑う彼方。



肩をふるふると震わせ、笑いを耐えているようにも見える。



「うぁ……えっと……!」



私としたことが、なんて失態だろう。



これだけは絶対にバレないようにしてたのに!

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