【完】時を超えて、君に会いに行く。
「未歩。続き書いてよ」
「えっ?」
「小説の続き、ほら」
私が困惑してるまっただ中で、彼方は突然、小説を書けと促してきた。
「む、無理……!今は、ちょっと書く気になれなくて……」
「え……なんで?」
……?
なせが彼方は、不思議なくらいすごく驚いた表情を見せる。
なんでって聞かれても困る。
未来でもしかしたら、幼なじみが死ぬかもしれないからって言ったら、こいつの頭は大丈夫か?って思われるし……。
でも本当に、今は小説を書く気にはなれない。
「……ちょっと、怖い」
「…………」
文字を書くことの何が怖いんだって、普通は思われるだろう。
だけど彼方は、何も言わなかった。
ただ何かに思案してるように見えたのは、気のせいかな。