【完】時を超えて、君に会いに行く。


――ガラッ。



「ごめん、遅くなった!」



そのタイミングで、幼なじみの航は教室に入ってきた。



「あ……、えと、お疲れ」



「本当に遅いよ。待ちくたびれただろ、未歩が」




私かよっ。



彼方の言葉に、思わず心でつっこむ。




「あれ?なんで彼方がいんの?」



航は美術室にいる彼方を見て、不思議そうに首をかしげた。



「お前が来るまで待ってたんだよ。じゃ、俺帰るわ」



ずっと隣の席に座ってた彼方は立ち上がり、カバンを持つと教室から出ようとする。



「はっ?待てよ彼方。3人で一緒に帰ろーぜ」



「ごめん。寄るとこあるから、また」



そして彼方は手を振って、航の横を通り過ぎて出て行った。


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