【完】時を超えて、君に会いに行く。
……風みたいな人だなぁ。
目の前から、颯爽と消えてしまう感じ。
ていうか彼方、寄るとこあるのに航が来るまで待っててくれたんだ……。
「ほんっとにあいつ、付き合い悪いなぁ〜」
出て行ってしまった彼方を、ふくれっ面で見送る航。
「航って、彼方が大好きなんだね」
この、どうしても一緒に帰りたがるところとか。
「は!?変なこと言うな!気持ち悪い」
「あははっ。ちゃんと友達としてだよ」
「当たり前だ。俺だって好きな女くらいいる」
えっ?
胸がドクンと、脈打つ。
「……へぇ、いるんだ」
「えっ……!あ、今のはっ……違う、間違えた!」
うわ……わかりやすいなぁ。
知ってるよ……。
沙奈でしょ?