【完】時を超えて、君に会いに行く。
なぜか無性にイライラして、可愛げのない私がおもむろに姿を現す。
「……今まで何してたの?」
「あー。マネージャーに呼び出されて……」
そこで言葉を濁しだす航。
「で?」
続きを促すと、少し気まずそうな表情をして、
「告白、された」
照れ臭そうに、そう言った。
「でも、すぐに断ったからな」
「そっか。じゃあ、その好きな人は陸上のマネージャーさんではないんだ」
「だから、俺の好きな奴とかって話は忘れろ!言葉ミスっただけだから!」
どうしてそんなに隠そうとするんだろう。
言ってくれてもいいのに。
そしたら私だって協力するし、小説のことも、航に言っていいかなぁって、思えるのにな。