【完】時を超えて、君に会いに行く。
「まぁまぁ、航!未歩だって乙女なんだから、買い物とか見られたくないだけかもしれないじゃん!わかってあげなよ」
イラついてる航をなだめるように、沙奈はそう言った。
ただ万年筆を買いに行くだけなんだけどな。
でも沙奈は、これ以上言い合いにならないように、そう言ってくれたんだろう。
「……ふん。もう知らね。行こうぜ彼方」
そうだそうだ。
こんなムカつく幼なじみなんて放って、さっさと部活にいけばいいじゃん。
彼方と一緒に陸上して、そんで、優しい沙奈と付き合っちゃえばいい。
航なんて、もう知らない。
「…………」
彼方は無言のまま私を見つめると、航のあとを追って教室を出て行った。
……なんか、悲しそうな表情してたのは、気のせい?