【完】時を超えて、君に会いに行く。
「次の大会では、絶対結果だしてやる!」
「おー!がんばれ!」
「当たり前だろ!俺の夢はアスリートになることだからな!」
「はは、ずっと変わらないね、その夢!航らしい」
小さな頃から、航は走るのが大好きで、その夢はずっと変わらない。
「大会は、未歩も見に来るだろ?」
「そりゃあ、当然でしょ!」
だって、幼なじみだもん。
そう、幼なじみだから。
すると航はこちらに振り返り、ニカッと無邪気に笑ってみせた。
「約束だかんな!」
「うん」
小さな頃から私は航のことを知っている。
ずっと航のことを見てきた。
だからこそわかる。
……航はたぶん、沙奈のことが好き。