【完】時を超えて、君に会いに行く。
心の中にあるゴチャゴチャな感情を抑えこんだまま、わざと笑ってみせた。
「そうなんだ。私もちょうど、今日は用事あるから早く帰ろうと思ってた」
……嘘。用事なんてない。
今日は美術室に行こうと思ってたのに。
「あ、まじで? なら良かった」
なんでそんな、安心したような顔するの?
「おはよう!ふたりとも!」
すると突然、背後から明るい声が聞こえた。
振り返って見ると、沙奈が登校してきたところだったみたいで、教室の前で3人が集まる形になった。