【完】時を超えて、君に会いに行く。

「どうやら仲直りしたみたいだね!良かった!」



「おう、沙奈のおかげ。サンキューな」



チラッと航の表情をうかがった。


航、沙奈と話すとき、すごく嬉しそう……。




「いえいえ!ほら、もう授業始まるよ!中入ろ!」



私は沙奈に背中を押され、教室に入った。



「あ、おはよう。仲直りしたんだ」



教室に入ってすぐの席にいる彼方が、私たちに気づく。


そして、あいさつと共にそんな言葉を言って笑みをこぼした。



「おう。昨日は悪かったな」



「いや、別にいいけど。とりあえず良かった」



沙奈も彼方も、私と航が仲直りしたことに喜んでくれてるんだから、私もちゃんと笑ってないと……。



私が一方的に不機嫌になってどうするの。


せっかく仲直りしたんだ。これでいいじゃん。



そう思うのに、やっぱり席についてからも、私はずっと航と沙奈のことで頭がいっぱいだった。

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