【完】時を超えて、君に会いに行く。


って、だめだめ。


ちゃんと笑ってなくちゃ……彼方に心配かけてしまう。


私は力をいれて、笑ってみせた。



「そういえば、彼方はなんでここにいるの?もう部活終わったはずだよね?」



それとなく、気になったことを聞いてみる。



「あー……俺? 俺はちょっと、放課後に用があったんだけど……。それももう、なくなった」



「?」



部室で着替えて、いつもならそのまますぐに帰ってしまう彼方が、わざわざ学校内に戻ってきてまでする用事ってなんだろう?


すごく気になるけど、あんまり詮索しないほうがいいよね。



「今から帰るところだけど、一緒に帰る?」


「えっ!?」


彼方の言葉に、驚いてしまった。


だって……。



「だ、大丈夫なの? すぐに帰らなきゃいけないんじゃないの?」



「いいんだ。もう用もなくなったし」

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