【完】時を超えて、君に会いに行く。


目を伏せ、少しさみしそうな表情をした彼方は、チラッとだけ校内を見つめた。



ここからでは見えないけど、その視線の先には、美術室があるところだって、私にはわかる。



……彼方と美術室?



とくに縁のないふたつの組み合わせに、私は首を傾げてしまう。


美術室に用ってことは、沙奈と関係することかな……?


……もしかして。



「行こ。未歩」



思案にくれてる私を、我に返らせたのは、彼方の明るい声。



「うん」



私はうなずくと、彼方の後ろをついて行った。

< 83 / 420 >

この作品をシェア

pagetop