【完】時を超えて、君に会いに行く。
彼方の一歩うしろを歩く、そんな帰り道。
ふと気付いたけど、彼方と帰るのは初めてだ。
今まで4人で帰ったこともなかったし。
……なんかちょっと、緊張してしまう。
「航と沙奈、なんでふたりで帰ったんだろうなー?」
そんな私とは対照的に、能天気な声でつぶやいた彼方。
この人はいったい、なにを考えてるんだろう?
私には彼方の心情がちっとも読めない。
でも別に、居心地が悪いってワケでもないから、不思議だよね。
「さぁ……。航は沙奈のことが好きだから、告白でもするんじゃない?」
とりあえず、彼方のさっきの言葉に、私が思っていることを述べてみた。
「えっ?」
すると彼方は突然立ち止まり、驚いた顔で私の方を振り返る。