【完】時を超えて、君に会いに行く。



「とりあえず、今日は待ってろ」



そして私を見るときだけ、今みたいに笑みが消える……。



なぜかそのことイライラしてしまい、私は口をキュッと結んだ。



きっと今、あからさまに可愛くない態度をとっている。



「聞いてるのかよ。未歩」


「……やだ」


「は?」


「航とふたりでは、帰らない」



ワガママな子供みたいに、ふてくされた子供みたいに、


すごくすごく、意地っ張りな自分が、そう言っていた。




「航ー、部活行こう」



今度は、ちょうど着替え終えた彼方がこちらにやってきた。



……そうだ。




「彼方。今日は放課後、早く帰らなきゃいけないの?」



私は思いつきで、彼方にそう聞いた。



「えっ?……別に、大丈夫だけど」



「じゃあ今日は、3人で帰ろ」

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