ORANGE SNOW

私は国の政治を裏で握っている上級貴族の名門、スカーレット家の一人娘として生まれた。

容姿端麗少々病弱、そして酷く過保護な母親と、帝王学大好き、お金こそ全ての頭の良さそうな顔(実際良いのだが)をした父親、そして世話の焼きすぎるたくさんのメイドに囲まれて私―リヴィアリアは育った。

容姿はまるで母親に生き写しのように美しく、毎日私は母親に着せ替えをさせられる。

そしてその頭脳は父親に似て優秀で、跡を継がせようとする父親の為に必死に毎日帝王学を勉強させられ、剣術をしごき込まれた。

だが性格だけは、誰に似たのか私は自由翻弄、そして冒険に憧れていて、その夢の話をするたびに貴族の間では「キチガイ」と呼ばれるようになっていった。

そんな私はもちろんこの生活に飽き飽きしていた。
毎日私を人形みたいに扱い着せ替えを楽しむ母親も、毎日毎日帝王学とうるさい父親も、お風呂までついてくるメイドも、すべてが憎らしかった。

ああ、うるさい!うるさい!
気持ち悪くてたまらない!

私は、一人で自由に読書をしたり散歩をしたり馬に乗ったり、そして成人したら世界を見て周る、そんな夢を見ていたから。




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