ORANGE SNOW



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いつものように朝日が昇り、人々が活動を始める。
町外れにある教会の人々も例外ではなかった。
肌寒い季節がやってきそうな気候の中、皆が皆朝が辛いながらも体を起こして祈りを捧げるその時間。
しかし、教会の入口では既に一足早くそれを終えた一人の修道女と一人の荷物を掲げた少女が立っていた。

「思ったより早く許可がとれて良かったですね」

修道女―エレーは微笑み、少女に話しかける。
少女―リヴィアスは片手に『キュアスリー許可証』と書かれた紙を持ち頷いて見せた。

「…うん。
あの、シスターエレー」

「ええ、リヴィアス。
貴方の言いたい事はわかります、けれどそれは今は言わないで。
貴女が一人前になったら、言いに来てくださいな」

エレーは言葉を遮るとそう言い、苦笑しているリヴィアスにふと何かを思い出したような顔をした。
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