ORANGE SNOW
エレーはそう言い、リヴィアスに顔を上げさせると手を合わせて祈りを捧げる。
リヴィアスもそれにならい、手を合わせた。

「辛くなったらいつでも泣きつきにきなさい。
汝の道に幸多からんことを」

「はい、シスターエレー。
祈祷感謝します」

リヴィアスは微笑み、手を下ろすとくるりとエレーに背を向けた。
それをエレーは寂しそうに見、静かに呟いた。

「いってらっしゃい、リヴィ」

「いってきます、シスターエレー」




朝日が静かに町を照らし、今日も一日が始まった。
リヴィアスは教会を出るともう振り向かず、ただ前を見て自分の行く先を考える。

何度躓いても、何度倒れても、絶対に諦めない。
絶対に、あの少女を探しだそう。

もう、決めたのだから。


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