ORANGE SNOW
「はい、リヴィアス、これ持ってー」
「おうおう、…………って、はい?」
何やら急に片手にスーツケースを持たされ、驚いたリヴィアスが横を向くと、黒い髪にくりくりとした瞳をした少女―セルリアが大荷物を抱えてそこに立っていた。
「せ、セルリア?」
「何よ」
あたしがいるのがおかしい?、と言わんばかりにセルリアはリヴィアスを睨み付けた。
そんなセルリアに戸惑っていると、
「リヴィーーー!」
「だああああっ!?」
後ろから強烈なタックルをかまされ、思わず前へ倒れそうになったのをなんとか踏みとどまり振り向くと、蓮華が満面の笑みを浮かべて抱きついていた。
「蓮華?」
「あい!」
「私達に黙って出てくなんていい度胸だなー、リヴィアス?」
あ、と声を上げるとセルリアよりは少ないが荷物を持ったさくらが、蓮華とは別の嫌味な笑みを浮かべてそこに立っていた。
「な、な、な、…」
突然現れた3人に戸惑っていると、さくらが口を開いた。