ORANGE SNOW
「なんで黙ってたの?」

「…え」

「昨日初めて聞いたの、リヴィアスが出てくって」

さくらは荷物を持ち直すと同時、リヴィアスの顔を睨むように見た。

「だって…」

言葉を濁したリヴィアスにさくらはすぐに睨むのをやめ、蓮華の手を取るとリヴィアスの横を通りすぎた。
それを見たセルリアも口を開いた。

「許さないんだから」

そう静かに言い、降ろしていた荷物を抱えてリヴィアスに背を向ける。
そんな二人の様子に戸惑い、思わず顔を伏せた。

が、

「だから、リヴィアスが危ない時はあたしが守る」

「リヴィアスが迷わないように一緒についていく」

背を向けた二人はそう、言いはなった。
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