ORANGE SNOW
-・・・
「きら、外よ」
外に出ると同時きらを地面におろすと、きらは戸惑った様子だったがふらふらとした足取りで数歩歩く。
セルリアは不安げにそれを見ていたが、すぐに微笑んだ。
「そ、と・・・?」
窓から眺めるだけだったのに信じられない、ときらはしっかりとした口調で言うと静かに空を見上げた。
すでに日は暮れ始めていて赤いそらが広がっていたが、涙を流して微笑んだ。
ふと餌を探しにきたのか、きらの周りに白い鳩が現れはじめる。
きらは初めて見たのか戸惑っていたが、すぐに嬉しそうに声をあげた。
鳥が、少女の周りに集まり、飛び回る。
少女もまた、人形以外の相手に、微笑み、踊る。
そんな様子にセルリアは安心したように地面に腰をつける。
今はまだ、ああやって遊ばせてあげたいから、遊び疲れたら家に帰ろう。
そしてリヴィアスとさくらに報告しよう。
家族が増えた、って。
依頼を達成できなかった事でリヴィアスに怒鳴られ今日の夕飯はなしにされるかもしれないし、もしかしたら今日の寝床は廊下かもしれない。
だけどきらを見てるとそんなことはどうでもよくなった。
その白い姿に外の世界は、やっぱり合っていた。