ORANGE SNOW

さくらがそう叫んだ途端、二人の頭上からバケツを何個もひっくり返したような量の水が一気に降り注いできた。
二人は動きを止め、同時に顔をしかめさせてさくらを見たが、すぐにはっとする。
蓮華は唖然とし、きらとなっては今にも泣き出しそうな顔をしていたが、さくらは構わずに再び詠唱を始める。

「ちょ、ちょ、ごめんなさい!
さくら詠唱やめろ!」

「さくらごめん!
あたしたちが悪かったからああああああ」

蓮華達からは見えないが、リヴィアス達から見たさくらの顔はよほど恐ろしかったのだろう、急いで同時に謝罪するとさくらは詠唱をやめ、手を降ろした。

「そ、反省したならいいの」

すごく明るい声が逆に怖いよ、と言いたくなったが誰も一言も喋らず、さくらには逆らっては駄目だと一同全員心に決めたのだった。
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