ORANGE SNOW


―…


「卵と、醤油ね」

「はーい」

蓮華はさくらの言葉に元気よく返事をすると、大きな手提げを持って家を飛び出していった。
それをさくらに睨まれて渋々後片付けをしているセルリアが、首をかしげてさくらに声をかけた。

「なに、お使い?」

「うん。
ちょっと遅い時間だけど、大丈夫でしょ」

さくらはそれだけ言うと再び自分の作業を再開する。
その後ろでセルリアと同じくさくらに睨まれて後片付けをしているリヴィアスが心配そうに顔をしかめた。

「危なくない?」

「大丈夫、あの子は一応私の妹だよ?
ちょっと変わった魔法だけど、身を守るくらいのものを身につけてる」

そう言い手を止めると、隣で疲れきって寝ているきらに手を伸ばし頭を撫でた。
< 70 / 123 >

この作品をシェア

pagetop