ORANGE SNOW
このプリムロウズは戦闘に取り入れるほど武器を扱える者はいない。
だが3人それぞれが偶然にも魔法の才があり、リヴィアスは炎、セルリアは風に長けていた。
さくらに至っては祖母が「エルフ」と呼ばれる自然を愛し、全ての魔法を容易く扱い、武器の扱いにも長け、それは美しい容姿を持つ種族だった。
その血を引く所以、本来人間は一つの属性しか魔法を扱えないところを、水と癒、両方を華麗に扱う事が出来ていた。
蓮華もさくら程はいかないがエルフの血を引いており、変わったものだが魔法を扱う事ができる、とさくらは言った。
「変わった魔法?」
そういえば見た事ないな、とリヴィアスが呟くとさくらは複雑そうな顔をし、苦笑した。
「例のない属性の魔法だから、私があまり使わないようにって言ったの。
だから見た事ないのかもね」
「どういう魔法なの?」
後片付けをしていた手を止め、寝ているきらを部屋で寝かせようと抱き上げたセルリアは尋ねた。
それにさくらは、少し迷い、だが静かに口を開いた。