ORANGE SNOW



「言うならば、私達が魔法使いなら、
あの子は「空気の奏者」ってとこなのかもね」



―…


「はやく帰らなきゃ…」

すっかり闇が広がり明かりは月と街灯のみしかなく、人通りもない道を少女―蓮華は頼まれたものが入ってる鞄を担ぎ直しながら足を早めた。
昼と違う夜の街の様子に少々怯えながらもしっかりとした足取りで家を目指していた。
自分の姉であるさくらは忙しい身であり、他の二人も同様である為、家事全部はできないものの手伝いくらいは出来るので蓮華はこうやって買い出しにもすすんで行っていた。
最近はきらがいるので、昼の内は二人で行くのだがさすがに夜はきらが怖がって行きたがらないので、一人で行く事になる。
まぁ別にいいけど、と一人苦笑する。
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