ORANGE SNOW
ふと何か違和感を感じ足を止めた。
自分の影が、大きい気がする。

「ん」

目を凝らし自分の影をもう一度見た途端、ぞくり、と急に寒気を感じた。
恐ろしいほど冷たい空気が一気に身体を冷やしていくのがわかる。

―後ろに誰かいる気配がする。

どくん、と心臓が鳴り蓮華は意を決して後ろを振り向いた。

「…っ!」

そしてそこにいたモノに、身を強ばらせた。

そこには、恐ろしい程白い姿をした小さな少女が、唯一赤いその瞳でじい、と蓮華を見ていた。


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