ORANGE SNOW
「な、に…?」
蓮華が尋ねても少女は答えず、ただずっと見ていた。
少女の白い肌に溶け込むような白いマントをすっぽり被り、はみ出している銀の髪もまた少女の白さを強調している。
それがなぜか嫌な予感しか感じなかった。
「……」
何も言わない少女に蓮華は警戒を感じながらも一歩、後ろへ下がる。
そして鞄を持つ手を緩める。
唇を咬み、決意すると、それを少女に思いっきりぶつけ―、
一気に走り始めた。
「きゃ…ッ」
途端、その決意も虚しく、足が何か引っ掛かり躓き、前のめりになって地面に思いっきり身体が叩きつけられた。
はっとし見ると、地面が盛り上がっており、恐る恐る顔を後ろに向けると、
「悪魔ノ子ハ、殺ス」
白い少女が、そうニヤリ、として呟き、
手に一杯の炎を貯めて蓮華の後ろに立ちふさがっていた。