ORANGE SNOW
あの時と、何一つ変わってない容姿だった。
美しく、壊れそうなくらい儚く、整っている。
リヴィアスはそっと少女の髪を掻き分けた。

「――――やっぱり」

掻き分けた事で現れた耳に、眉を細める。
その耳は、まるでエルフのように、尖っていた。
この少女がエルフならば、エルフは長寿なので容姿が数年くらいで変わらないのも、例えあの不思議な能力を身につけていたとしても魔法を次々と安易に出せたのも納得できる。

「エルフ、か」

自分とは違う種族に少し顔を歪ませたが、すぐにふっと緩め、急激に来た疲労と睡魔にそのまま身をまかせ、リヴィアスは眠りについた。




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