ORANGE SNOW





それは突然だった。
チュンチュン、と朝早くから小うるさく鳴き始めた鳥の声に目を覚ましたリヴィアスは、何やらもやもやした気持ちで目をこすり身体を起こした。
同時床で寝ていた為か、身体中に痛みがある事に顔を歪ませたがすぐにはっとした。

隣で寝かせていた少女が、いない。

目を覚ましたのか、はたまた気が付かない内に敵が来てこっそり連れていってしまったのか。
どちらにしよ、慌てる事には変わらない。
リヴィアスは急いで立ち上がり、さくら達を起こして少女を探そうと小走り気味に部屋を歩いたが――すぐに、立ち止まった。

鳥のさえずりに混じって、酷く透明で、酷く綺麗な声が聞こえてきたのだ。

「う、た…?」

そしてそれは、酷く哀しい曲調を奏でていた。
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