不器用恋愛



「誉めてんのに」



啓吾は楽しそうにあたしを眺めた。


「誉めてないから」


あたしは次のタバコに手を伸ばす。


そう、この無駄に色気のある男は、別に誉めてるわけじゃない。いや、こいつにしたら誉めてるのかもしれないけど。少なくともこいつの場合は『大人のオンナ』っていう意味じゃなくて『男らしい』ってゆう意味なんでしょうよ。

日本人離れした啓吾の容姿。スラリとした引き締まったモデル体型。草食男子ではあり得ないどこかアダルトな雰囲気が危う気で更に魅力を引き立ててるような、そんな「良い男」が向けるセリフなんて、真正面から受け止めたくなんてない。




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