不器用恋愛
出会ったのは、多分、俺が通うペースの日。
珍しく、俺より早い先客。
アッサリした短い髪に、スラリとした長身の女は戸を開けた俺を気怠そうに見上げる。
それは、ほんの一瞬。
冷めた切れ長の綺麗な瞳。
薄い顔立ちに似合うシンプルな化粧。
一瞥しただけで興味なさそうに、すぐ視線を逸らせたその態度は、俺の記憶では珍しい。
「男らしい女ってあんた?」
我ながら、失礼。
俺から声をかけるなど初めてだから仕方ないだろ。
ああ?
一目惚れだ。悪いか?