不器用恋愛


――――――――――――――…

蒼は変な女だ。


俺の機嫌を伺わない。煩わしい行動もしない。
というか、俺の怒涛のアプローチに全く気付かない。
連絡先を聞いても、必要ないだろと言われ、出会ってすぐ迎えた誕生日に花を贈っても枯らすけどいいのかと聞かれ、プライベートで会わないかと言えば、バーでいつも会ってるだろと言う。



「おまえ程煙草が似合う女はいないな」


俺の素直な誉め言葉さえ、「嬉しくない」と軽くあしらう。



あの出会いから、一緒に飲むようになるまで、俺がどれだけ苦労したかなんてしらないだろう。



大体、こうして頻繁に誘う事自体、『特別』だって事を全く分かってない。色気のある会話なんて皆無だ。




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