妖精と彼
「あぁーっ、愛くん!こんにちはー今日もカッコイイねー!」
部屋の中には、ソファに座り、テレビで大好きな刑事ドラマを鑑賞している姉さんと……
ソファよりも部屋の奥にある姉さんのベッドを我が物顔に占領し、俺に向かって元気に手を振るトウくんだった。
「………」
俺は、トウくんのことはまともに相手にしないようにしている。
要するに「無視」する。
相手をしても、しなくても、彼にとっては変わらないから。
だとしたらウザいものには関わらない方がいい。…友達でもないし。
「あぁーっ!愛くんが俺のこと無視するー!」
「………」
しかも、なんか子どもみたいなリアクションしてくるのが本当に面倒だ。