妖精と彼
「……や、そんな悩まなくても……」
『いえ… !せっかくあいさんが、きょうみをもってくれたんですから!………あ、おもいだしました。』
「?」
『にんげんとくらしてるようせいも、ごくまれにいたんですが……。きほんてきには、ようせいはにんげんとはいっしょにくらしません。……"りすく"がたかいですから。』
「リスク?」
妖精と一緒に暮らすことに、そんなにリスクがあるんだろうかと俺は首を傾げた。
さくらは、頷いた。
『そう、"りすく"です。……にんげんがわに、きけんがおおきい。』
「それって、どういうこと…?俺の姉さんのことが好きで、隣の家に住み着いたしまった変な"自称"妖精がいるんだけど。」
遠回しにトウくんのことを話すと、さくらはびっくりしたように目を丸くした。
両手を口元に当てている。
とても驚いているようだ。