妖精と彼
距離
それから2ヶ月。
腕一本分という物理的な距離はあるものの、確実にさくらとの心の距離が縮まっていくのを感じていた。
ほんわか、ふんわりした雰囲気に包まれて。
俺の心情を的確に読み取ってくれるさくらとの空間は、とても居心地が良いものだった。
姉さんと一緒にいる時くらい、安心して心を開けた。
全てを受け入れてくれるかのような、柔らかさに包まれる幸せを感じた。
こんなにも自分のことを話せた相手は、いなかったかもしれない。