海がみたい
いつもどこか、斜めにヒトを見ていた俺に、大した起伏も見せず斜めに叱る。
偽物の作り笑いに、「逆に笑える」とあっさり突き放す。
そんなリユに俺は溺れるようにハマって、リユが、何をしようと、許して、繋ぎとめた。
必要なものしかなかった俺の部屋は、いつかリユの物とか、二人が使うのに必要な物とかで増えていった。リユは何も求めてなかったけど、ただ単に、リユが生活するのにあれば便利だと思ってただけで。
ーーーだけど、リユには、もしかしたら必要なかったのかもしれない。
何の名称もない不確かな関係は
脆くて、
だけど、それ故に自由で、
痛い程縛り付ける。
リユは背徳と好奇に、いつか少しずつ疲れはじめていたから。