嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~
色んな専門店が軒を連ねるアーケード街を二人で歩きながら、俺はエリカと一緒に寧々のクリスマスプレゼントを選びまくる。
「さっきから買いすぎなんだけど…」
「お前が俺を上手く乗せて買わせてるんだろ」
「そんなつもりは…あっ、あの靴可愛くない?」
言ってるそばから、エリカは俺を引き連れて子供のブランドショップの中へ入っていく。
「やっぱり女の子に生まれた来たからには、いっぱいおしゃれさせてあげたいよね」
エリカは寧々が履いているところを想像しているのか、愛おしげに目を細めながら、手にとったフラワーモチーフ付きのパンプスを見つめている。
今まで寧々に何も与えてやる事が出来なかったことを思うと、今買わないでいつ買えばいいんだと何度も思ってしまう。
「…それも買う」
「え!ほ、本気!?靴なんて一年もしたら履けなくなるんだよ?何も…こんな高いやつじゃなくても…」
「俺が寧々に買ってやりたいだけだから。お前の見立てなら、まず間違いないし」
「…ふーん」
消え入りそうな声で返事をしたエリカが、足元に視線を落としながら嬉しそうにはにかんでいる。
寧々とエリカが喜んでくれるなら、いくらでも貢いでやる。
初めは軽い気持ちで、俺に寧々が似合いそうなものを提案してくれていたんだろう。
購入したものの値段が嵩むにつれて、エリカは申し訳なさそうに顔が青くし始めていた。