嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~

気持ちよくなるのはエリカだけでいい。

俺はフローリングの床に膝をつき、まるでかしずくようにエリカを見上げる。

そのまま片足の太腿を持ち上げて自分の肩にかけると、エリカは今から何をされるのか悟ったらしい。

よじって拒否される前に、俺はエリカの腰を手で押さえ固定した。

指を足の付け根に侵入させて、中を探るように動かせば、我慢しきれなくなったエリカから悩ましい声が上がり始める。

俺が支えてやらないと、エリカは今にも足から崩れ落ちてしまいそうだ。

どんどん上り詰めていくのが、手に取るように分かる。

たとえ二年のブランクがあっても、知り尽くしたエリカのポイントを、俺が簡単に忘れるはずない。

…結局、使ったのは聞き手だけだった。

呆気なく目標を完遂してしまった俺を、エリカは息を荒くしながら悔しそうに見下ろしている。

「…変態」

「どっちが?」

身なりを整えてやりながら立ち上がった俺は、おもむろにエリカの頭を撫でる。

わけがわからないと行った様子のエリカに、俺は優しい表情を作って笑いかけていた。

「寧々は俺が迎えに行ってくる。…先にシャワー浴びて休んでろ」

ここで抱くことなんて簡単に出来る。

でもその目的を果たすのは、エリカの心をちゃんと手に入れてから。

呆然と立ちすくむエリカをその場に残し、俺は意気揚々と部屋を後にしていた。

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