嘘つきより愛を込めて~side Tachibana~
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待ちに待った、クリスマスイブの当日。
店にはカップルで来店する人が圧倒的に多く、午前中から多くの客で溢れかえっていた。
レジにもさすがに長い行列が出来ている。
時々俺もヘルプに入りながら接客に追われていると、あっと言う間に遅番が出社してくる時間になってしまった。
(……なっ……!?)
そしてエリカの姿が目に入った瞬間、絶句する。
エリカのほっそりとした太腿が、短いスカートの下から惜しげもなくさらけだされていて。
店内にいたほとんどの男の視線が、エリカのサンタ姿に集中していた。
彼女と来ているくせにジじろじろ見るなと、俺は周りの男に鋭い視線を向ける。
フッティングルームの中で試着中の客がいるのに、つい舌打ちしてしまいそうになったのを、俺はすんでのところで堪えていた。
(本社のエロオヤジ共め。…来年はあんなの絶対廃止に追い込んでやる)
必要以上に見られているにもかかわらず、エリカはいつも通りの笑顔を振りまいている。
屈んだら中が見えてしまいそうなスカートの裾が気になって、俺はその後全く業務に集中することが出来なかった。