【完】いじめっ子と戦ってみよっか【いじめられっ子更新済】
「こんなことのために呼んだの?」
「はっ……?なに、あんた。ホントにムカつくんだけど……。
あんたのせいで…私、振られて…あんたのせいで……!」
うわ……お母さんと同じだ……。
怖い。同級生なのに、力なんてきっと私の方が勝っている。
なのに、怖い……!
「あんたなんか、消えればいいのに……。
絶対私の方が可愛い!性格だって私の方がいいし、私の方がモテる!
なのに、なんで、あんたなんかに……!」
睨み付ける未来ちゃんは、もう誰も止められないと思う。
「これだって!お父さんがなに!?調子こいてんな!」
ゴミ箱をブレスレットと一緒に蹴り、中から出てきたそれを踏みつける。
それでも私はなにも言わない。いや、なにも言えないんだ。
大切なものだったのに……ひとつしかないのに。
「こんなものっ!!」
ドンッ!と踏みつけると、ブレスレットは二つに分かれてしまった。
でも絶対泣かないんだ。泣いてやるもんか。
喉にグッと力をいれ、涙をなんとか止める。
「そんなもの壊したって、私なんとも思わないよ?」
本当は辛い。誰かに泣きつきたいよ。
今すぐに拾いたいし未来ちゃんのこと突き飛ばしたい。
でも、できないんだよ……。