【完】いじめっ子と戦ってみよっか【いじめられっ子更新済】
「未来ちゃん、もう行こう?」
おろおろしながら未来ちゃんをなだめ始め、
いつしか三人は更衣室からはいなくなっていた。
「うぅ……お、父さ、ん……ヒック」
もうもとには戻れないブレスレットを見つめ、ただただ涙を流す。
私のお父さんは、もういない。
生きてはいるけど、蒸発したんだ。
お母さんとヤるだけやって私ができてしまった。
きっと予想外だったのだろう。
それでもお父さんは私を育ててくれた。
小1まで。私が小学校に入学すると同時に蒸発したんだ。
前日に「これはお父さんの大切なお守りなんだ。大事にしろよ」それだけ言って。
私はお父さんが大好きだった。
お母さんが私に怒るとき必ず守ってくれて。
それだけなのに、とても嬉しかった。大好きだった。
だから蒸発してもお父さんが大好き。
それなのに、ブレスレットを壊されるなんて。
「教室、行こ」