【完】いじめっ子と戦ってみよっか【いじめられっ子更新済】
「なんで京くんと話してんのって聞いてるの!」
「別に……挨拶くらいよくない?」
それに私から話しかけたわけでもないのに。
「嫌なの!あんたの京くんじゃないんだよ!」
嫌なの……って。乙女だな、おい。
「あんた、こっから落ちたらどうなるんだろうね?」
……ハイ?
ジリジリと未来ちゃんは私に詰め寄ってくる。
これ以上下がったら、落ちる!
右に逃げたくても未来ちゃんの友達。
左に逃げたくても未来ちゃんの友達。
逃げ場がない……。
「落ちちゃえ」
私を落とそうと未来ちゃんの手が向かってくる。
……あ、階段降りちゃえばいいんじゃない?
て、背中向けたら押されるに決まってんじゃんか。
「さっきから見てたけどさ、何やってんの?」
マジですか。あなたは漫画の中の王子さまですか?
ナイスタイミングだな。
「さっきから、見てた……?」
サアァー……と未来ちゃんから血の気が引いていく。
「あぁ」
ここにいる京くん以外が目を大きく見開いている。
しかも冷や汗かいてる子もいるよね。
「私……っ!」
泣きそうになりながら階段をドタドタと駆けおりる。
そりゃ好きな子にこんな場面みられちゃ泣きたくもなるよね。