隣に座っていいですか?これはまた小さな別のお話
「今日は疲れて何があっても起きないでしょう」
桜ちゃんからひとつ置いたベッドに座り
自分の横をポンポンって叩いて私を誘う。
いつもの綺麗な顔が
今日はいたずらに笑ってる。
場所が変わると
開放的になる不思議。
そっと彼の隣に座ると
そのままバタンと押し倒された。
「疲れた?」
柔らかな髪が私の頬を触り
幸せなくすぐったさに目を閉じる。
「紀之さんは?」
「夜はこれからでしょう」
優しい声が魔法のように
私の耳でささやき
彼の香りが私を包む。
「大人の時間」
彼の声は優しい
優しくて愛しくて甘くて
眠くなる。
あぁなんて
優しいキスをするんだろう
気持ち良くて
眠くなる。
「郁美さん?ちょっ……ちょっと!郁美さん!そこで寝る?起きて!」
紀之さんの
焦った声も素敵
そしてその声は遠くなり……。