未来への一歩【短編】
家に帰るとlineがきてた
紅葉からだった
《手に力が入らない…。》
《足にも入らないよ…。》
え、もうそんなに悪化してるの?
《明日、歩いて学校に行けるかわからない》
《大丈夫でしょ!》
って明るくしてみた
《私、そのうち呼吸がとまるかもしれない》
《体が動かなくなるかもしれない》
LINEから伝わる
紅葉の思い
《病気のこと、調べたんだ…。それって悪化したらでしょ?手も足も元に戻るかもよ!》
なんて、根拠のない励ましをしてしまった
このままじゃダメだ
《もしも、紅葉の体が動かなくなっても…私は車イスに紅葉を乗せて走るよ》
《1キロでも、2キロでも。いや、5キロでも10キロでも!倒れるまで走るよ》
本当にそう思ってる
悲しみは半分こ
そう決めたから
《ありがとう…》