キミがくれるしあわせ
第2章 ー想いー
<玲side>
あのあと、俺の家に泊まると言った鈴を先に風呂に入れて、ベッドで寝させた。
そして今、俺は風呂の中。
なぜ俺はあんなことを言ったのか…。
さっきからずっと考えている。
そもそもアイツが起きる前、俺はアイツを早急に家に帰して事の終息を図ろうとしていたはず。
それなのに、俺の口から出た言葉は……。
声をかけたところまでは何ら問題はなかった……と思う。
俺は事の経緯を説明させてから帰そうと考えて、声をかけたんだから。
なぜ、引き留めたのか……。
唯一分かっているのは、アイツが俺に背を向けて帰ろうとしたとき、なんとなく帰って欲しくないと感じたこと。
ただなんとなく、アイツとの関係が切れてしまうのが嫌だと思った。